1999 Fiscal Year Annual Research Report
染色体に組み込まれたヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の動態に関する研究
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11770405
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多屋 馨子 (田中 馨子) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80263276)
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Keywords | HHV-6 / integration / FISH |
Research Abstract |
ヒトヘルペスウイスル6(HHV-6)が染色体に組み込まれた形で存在する家系を発見した。患者末梢血単核球を培養し、患者細胞から感染性ウイルスが同定されるか、抗原検出が可能か否かを間接蛍光抗体法で検討したところ感染性ウイルス、抗原ともに検出されなかった。そこで、HHV-6の再活性化をおこすために行ってきた方法(IL-2による刺激、IL-1βによる刺激、HHV-7の刺激、麻疹ウイルスの感染)によりHHV-6の再活性化を試みたがウイルスは検出できなかった。 次に、染色体にintegrateした形で存在するHHV-6に対して生体は抗体反応を認めるか否いなかについて検討した。通常の間接蛍光抗体法では抗体価は陰性であった。そこで、HHV-6DNAをtransfectionしたCV-1細胞と用いて、間接蛍光抗体法を施行した。HHV-6既感染の患者においては陽性であったが、integrationした患者の血清では陰性であった。今後は、免疫沈降法等、別の方法を用いて抗体の存在を更に検討する予定である。 3番目に、染色体に組み込まれているHHV-6がfull lengthで存在するかについて検討した。HHV-6は161kbからなる2本鎖DNAウイルスであるが、そのgenome内に10箇所のprimerを設計してPCRを施行したが、いずれの領域においてもDNAは検出可能であった。今後はさらに領域を増やして検討予定である。
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