1999 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞による腫瘍ワクチン開発の基礎的検討及び神経芽種への臨床応用
Project/Area Number |
11770409
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西内 律雄 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (20284119)
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Keywords | 樹状細胞 / サイトカイン / 癌抗原 |
Research Abstract |
In vitroでヒト末梢血単核球から樹状細胞を産生する方法については多くの報告があり、GM-CSF,IL-4,TNF-α等の組み合わせにより、樹状細胞の産生、分化が誘導できることが確認されている。 今回我々はヒト末梢血単球からより効率的に樹状細胞の産生、分化を誘導できる培養系を確立できないかを試みる目的にて、樹状細胞培養系に対する可溶性IL-40リガンドの影響、効果について検討した。 すなわち、ヒト末梢血単球の7〜14日間の液体培養をGM-CSF,IL-4,TNF-α等の添加でおこなうものをコントロール群とし、さらに可溶性性IL-40リガンドを添加したものを対照群とした。 その結果、樹状細胞の産生効率は両群間で有意な差は生じず、形態学的にも光顕では明らかな違いは認められなかった。しかしながら、CD1a、CD11c、CD14、CD34、CD80、CD83、HLA-DRによる細胞表面抗原のフローサイトメトリーによる解析、およびデキストラン分子の取り込み能のフローサイトメトリーによる解析では、同じ培養日数では対照群はコントロール群と比較して、より抗原取り込み能は高く未分化な性質を保持し、かつ、抗原提示能は同等に有する樹状細胞となることが確認された。 腫瘍ワクチンにおける樹状細胞の役割は、癌抗原を取り込み、それをT細胞に抗原提示し、細胞障害性T細胞を誘導することであり、抗原取り込み能、抗原提示能はより高いものが望ましい。そのような観点からは、今回の我々の検討した可溶性IL-40リガンドの添加はより目的にかなった樹状細胞の産生誘導に有用であると思われた。
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