1999 Fiscal Year Annual Research Report
発達期の神経組織に特異的な膜蛋白質、ニューログリカンCの神経回路形成における役割
Project/Area Number |
11770435
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期部門, 研究員 (50291175)
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Keywords | 神経回路形成 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / グルタミン酸受容体 / バレル構造 / EGF様構造 |
Research Abstract |
発達期のラットのバレル領域のEGF様分子およびグルタミン酸受容体の発現変化を明らかにするために以下の免疫組織化学的解析を行った。まず、生後7日目のラット大脳皮質体性感覚野の組織切片を作製し、我々が作製した抗ニューログリカンC抗体、抗ニューレグリン1抗体、および3種の抗ニューレグリン受容体抗体を用いて免疫染色を行い各分子の発現変化を検討した。さらにバレル領域に投射する視床の神経はグルタミン酸作動性であることから抗グルタミン酸受容体抗体を用いた免疫組織化学も行った。その結果、抗ニューログリカンCはバレル隔壁に、ニューレグリン受容体であるErbB2及びErbB4はバレル構造内に発現が認められた。しかしながら、ErbB3の発現は認められなかった。また、ニューレグリン1もバレル構造内に発現していた。これらの発現は生後3日目では明確なバレル構造を示さなかった。グルタミン酸受容体に関してはGluR6/7、mGluR2/3、mGluR5の発現がバレル構造内に認められた。 また小脳でのニューログリカンCの発達段階における発現を調べた。その結果、プルキンエ細胞と登上線維の接合部の発現場所の移動とともに変化した。また成獣ではプルキンエ細胞と登上線維の接合部である近位樹状突起に発現しており、平行線維とのシナプスを形成している遠位樹状突起には発現していない事が明らかになった。さらに小脳のニューログリカンCは発達初期にはコンドロイチン硫酸鎖を持つプロテオグリカンであるが大脳と異なり発達と共に糖鎖の付加を受けない分子が増加するも生化学的に明らかになった。
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[Publications] Oohira, A., et al.: "Molecular interactions of neural chondroitin sulfate proteoglycans in the brain development"Arch Biochem Biophys. 374. 24-34 (2000)
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[Publications] Aono, S., et al.: "Genomic organization and expression pattern of mouse neuroglycan C (NGC) in the cerebellar development"J Biol Chem. 275. 337-342 (2000)