1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経系、内分泌系を介したストレスのランゲルハウス細胞への影響の解析
Project/Area Number |
11770438
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 宏明 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282047)
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Keywords | 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / ホルモン / エストロゲン / レセプター |
Research Abstract |
マウスの皮膚からランゲルハンス細胞を酵素やマグネティックビーズを用いて約97%まで単離精製、またマウス骨髄細胞からGM-CSF、IL-4の添加により樹上細胞を誘導した。これら2種類の樹上細胞から、mRNAを抽出してPT-PCR法を使い、4種類の性ホルモンレセプター、すなわちestrogen receptor α_(ERα)、estrogen receptor β_(ERβ)、progesterone receptor(PR)、androgen receptor(AR)の発現を調べた。このうちでERαのmRNAについてはランゲルハンス細胞、骨髄由来樹状細胞いずれもが発現していたが、他の3つは検出されなかった。樹状細胞でエストロゲン受容体の発現が確認されたため、これらの細胞に生体内で最も主要なエストロゲンである17β-estradiol (E2)を加えて、3日間培養し、細胞の表面のMHC class II抗原、CD54、CD80、CD86の発現に変化が起こるかどうか調べた。しかし、フローサイトメトリーで、明らかな変化は見られなかった。さらに、E2を加えて3日間培養した樹状細胞を抗原提示細胞にして、アロのT細胞の刺激能を調べたが、こちらもエストロゲンによる明らかな影響は観察されなかった。また、樹状細胞培養上清中へのIL-1β、TNFα、IL-6の産生に関してもエストロゲンははっきりとした作用を示さなかった。
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