1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトケラチノサイトの分化制御転写因子遺伝子のクローニングとその発現についての検討
Project/Area Number |
11770444
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 孝志 千葉大学, 医学部, 助手 (90234830)
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Keywords | MMP-9 / インボルクリン / 転写因子 / ワンハイブリッド法 / glucose-6-phosphatase |
Research Abstract |
1.MMP-9とインボルクリンの遺伝子プロモーターに共通な転写因子遺伝子のクローニングを行なうため、ワンハイブリッド法を用いてヒトケラチノサイトcDNA libraryよりのスクリーニングを行なった。具体的には、MMP-9遺伝子プロモーター中のGCCTGTCAAG配列を3つtandem repeatとして含む遺伝子を酵母にtransfectさせ、最後にヒトケラチノサイト由来activation domain fusion libraryをtransfectさせ、スクリーニングを行った。結果、2個の陽性クローンを得た。 2.陽性クローンを候補として、その酵母に含まれる遺伝子のうち、libraryのadaptor配列をプライマー、また酵母をlyticase処理後分離して得られたDNAを鋳型としてPCR(polymerase chain reaction)法を用いて目的遺伝子を増幅し、塩基配列を解析して目的蛋白質をコードするcDNA配列を推定した。結果、一つは1999年に主に細胞質に存在する蛋白質として報告されたものと同一であり、もう一つはこれまで報告されていない未知の蛋白質であることが判明した。前者は、ヒト第5染色体にあると報告され、後者はデータベースからヒト第17染色体にあることが判明した。また後者は、カルボキシ末端に近いのアミノ酸配列の解析からヒトglucose-6-phosphataseと相同性を有する蛋白質であることが明らかになり、未知のアミノ末端側、遺伝子の5'側についてRACE法を用いて塩基配列を検討中である。 3.候補クローンの遺伝子によりコードされたアミノ酸配列を持つリコンビナント蛋白質を酵母に於いて発現させ、その抽出液を用いてゲルシフトアッセイで実際にGCCTGTCAAGを含む遺伝子配列と結合することを確認、さらにその特異性について検討中である。
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