1999 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞シグナル伝達と類天疱瘡抗原IIのリン酸化と病因抗体結合による水疱形成
Project/Area Number |
11770452
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
野尻 麻里 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (80311702)
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Keywords | ヘミデスモゾーム / 180kDa類天疱瘡抗原(BPA) / internalization |
Research Abstract |
類天疱瘡は全身に緊満性の水疱、びらんを生じる自己免疫性疾患である。病因抗体の抗原として表皮基底細胞と基底膜を結合する接着構造(ヘミデスモゾーム)の構成分子である180kDa類天疱瘡抗原(BPA)と230kDaBPAが同定されている。本研究は類天疱瘡抗体を培養表皮細胞に作用させ、180kDaBPAが類天疱瘡IgGと免疫複合体を形成した後、その免疫複合体のinternalizationにかかわるリン酸化を主とした細胞内シグナル伝達のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 低カルシウム(0.07mM)培養表皮細胞における180kDaBPA分子の分布状態は、蛍光抗体法で細胞底面細胞膜上ではプレヘミデスモゾームとして均等微細顆粒状無構造分布で、正カルシウム(1.87mM)培地では特異な同心円状の配列をとる。一方、細胞側面上面の細胞膜上では低、高カルシウム濃度ともに遊離分子としてプールされている。このようなカルシウムシフト(低→高)において180kDaBPAの分布を蛍光染色法で確認した。 また、細胞膜にプールされた180kDaBPAが類天疱瘡患者血清を加えることにより免疫複合体を形成し、細胞質内へinternalizationすることを蛍光染色法で確認した。また、カルシウムシフト、TPA(プロテインキナーゼC活性化)、H7(プロテインCキナーゼ阻害剤)などの刺激を加えることにより、同様の反応が起こることを確認した。
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