1999 Fiscal Year Annual Research Report
プラスミド宿主細胞回復能を利用した色素性乾皮症の新しい簡易・迅速診断法の確立
Project/Area Number |
11770454
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森脇 真一 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40303565)
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Keywords | 色素性乾皮症 / CATアッセイ / 宿主細胞回復 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
色素性乾皮症(XP)は遺伝的に異なる8群に分類されるが重症度(皮膚癌や神経症状の合併率)は各群で異なるため早期確定診断を行うことは臨床上重要となる.これまで、患者皮膚線維芽細胞の紫外線(UV)照射後の不定期DNA合成能(UDS)、コロニー形成法での紫外線感受性試験、既知XP細胞と融合させた患者細胞のUDSをみる相補性試験でXP診断がなされていたが煩雑な手技、時間,稀少な各群XP細胞が必要などの欠点があり多数の検体を取扱うことは困難であった.近年XP全ての群の原因遺伝子が同定され、我々はそれらの発現ベクターを全て入手した。XP各群(バリアント以外)の発現ベクターを患者細胞に遺伝子導入することで同細胞のDNA修復能が相補されるかどうかを、あらかじめUV照射して細胞内に導入したレポータープラスミド(CAT gene)の機能回復の程度(宿主細胞回復)でみれば、XPの正確な群決定が短期間で可能となる.本研究の目的は、このシステムを利用して、諸外国に比べて患者数の多いXPの新しい診断システムを本邦において構築し,臨床応用することである.本年度はまず、既知のXP細胞(SV40 トランスフォーム、初代培養)に、各群XP発現ベクターとCATベクターを同時に導入することにより、本システムの検討を行った.その結果、遺伝子導入にリポフェクタミンを用いることにより、高いCAT活性が得られ、より、XPA,C,F群細胞においてのみ、CAT活性の上昇がみられた.この結果は、これまで数カ月を要していたXPの確定診断が、本法により1週間程度で簡単、迅速、確実に行われるようになることを示唆する.さらに、本アッセイで、数例の新しいXP患者の確定診断に成功した.
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[Publications] 森脇真一: "色素性乾皮症の診断-最近の進歩-"臨床皮膚科. 53. 79-83 (1999)
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[Publications] Moriwaki SI: "A potential laboratory assay for the assignment of the complementation group of revo*erma p*gmentosum groupA,C,F measured by UV-irradiated host cell reactivation"Photomedicine and Photobiology. (in press).