1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイ法による遺伝性対側性色素異常症の発症機序に関わる遺伝子の解明
Project/Area Number |
11770455
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮村 佳典 名古屋大学, 医学部, 助手 (50272034)
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Keywords | 遺伝性対側性色素異常症 / 季節変動 / 画像解析 |
Research Abstract |
遺伝性対側性色素異常症(Dyschromatosis Symmetrica Hereditaria;以下DSHと略す)の症状の重さは、季節の影響をうける事が報告されている。遺伝疾患の原因を解明する際には、環境の影響をできるだけ受けないか、又は条件を均一にすることが必要であるため、本研究で用いる色素斑、脱色素斑は、季節変動の影響を受けにくい部位を用いたいと考えた。しかし、どの場所がどの程度季節変動するか調べた報告は未だ無いため、まずDSHの色素斑、脱色素斑の季節変動を画像解析法により定量する事とした。患者皮膚の撮影は平成11年の3月と9月に行った。撮影後に定量的な解析を行うため、撮影フィルムにはスライド用のポジフィルムを用い、遮光カーテンを用いて自然光を遮断し、カメラのフラッシュのみで撮影を行った。ついでフィルムをスキャナーを用いて画像ファイルとしてコンピュータに取り込み、コンピュータプログラムのphotoshopを用いて画像ファイルの色素補正及びグレイスケールへの変化を行った。最後にNIH Imageを用い、色素斑、脱色素斑の面積及び濃度の定量を行った。その結果冬期に比べ夏季では色素斑部の面積が拡大し、脱色素斑部の面積は減少した。また正常部位の色素濃度は夏季に有為に増加した。以上から、今までに報告されたDSHの夏季における増悪は、脱色素斑部と正常部位のコントラストが強まると同時に、色素斑部の面積が拡大することが原因であったと思われる。季節変化に伴い色素斑、脱色素斑の面積が変化することから、患者に苦痛を与える皮膚採集はこの点に注意して慎重に行いたい。また冬季撮影において、皮膚の乾燥による乱反射が撮影後の正確な定量を妨げている事から、患者に事前にハンドクリーム等を塗ってもらい、皮膚の乾燥を防ぎより正確な解析を行いたい。なおこの結果は、第17回国際色素細胞学会で発表された。
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Research Products
(1 results)