1999 Fiscal Year Annual Research Report
アクチビンのヒト表皮角化細胞の増殖,分化に対する影響(アクチビンの拮抗因子フォリスタチンの影響とシグナル伝達物質Smad familyの動向)
Project/Area Number |
11770465
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山崎 研志 愛媛大学, 医学部, 助手 (40294798)
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Keywords | ヒト表皮角化細胞 / アクチビン / フォリスタチン / SMAD |
Research Abstract |
平成11年度;アクチビンとフォリスタチンのヒト表皮角化細胞培養系での作用とSmad familyの検討。 (1)アクチビン、フォリスタチン添加による正常ヒト表皮角化細胞の増殖・分化への影響の検討。 A)増殖への影響:アクチビンは正常ヒト表皮角化細胞の増殖に対して影響を与えなかったが、、フォリスタチンは濃度依存的に増殖抑制効果が認められた。 B)分化(角化)への影響:200ng/mlのアクチビンとフォリスタチン刺激時のヒト表皮角化細胞の分化のマーカーmRNAの変動を検討したところ、フォリスタチン刺激においてトランスグルタミナーゼ1とケラチン1、10の誘導を認めた。アクチビンの分化マーカーに対する影響は認められなかった。 C)フォリスタチンmRNAの誘導:表皮角化細胞に分化誘導をきたすセラミドの刺激で、フォリスタチンmRNAは増加した。以上より、フォリスタチンが表皮角化細胞の分化に関与する可能性が示唆された。以上の結果は第24回日本研究皮膚科学会(1999年7月30日神戸)にて発表した。 (2)アクチビンによるSmad familyのmRNA誘導の検討:アクチビンを添加した後のSmad familyのmRNA発現誘導を検討したところ、smadのシグナルを抑制的に制御するsmad6の軽度増加が確認された。その他のsmadについては変動を認めなかった。TGF-βの刺激ではsmad6がより強力に誘導され、その濃度も低濃度よりsmad6の誘導がみられた。 (3)ドミナントネガティブ・アクチビンレセプター(dnActR1):アクチビンレセプター1型の細胞内ドメインを除いたdnActR1 cDNAを用いてアデノウイルスベクターを作製した。このウィルスベクターを濃度を変えて添加したが、細胞増殖に対してはアデノウィルスの毒性と思われる効果以外には確認できなかった。
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