1999 Fiscal Year Annual Research Report
IgEを介するランゲルハンス細胞・真皮樹状細胞の活性化とその抑制機序に関する研究
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11770473
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 則人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30244578)
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Keywords | IgE / 抗原提示細胞 / 樹状細胞 / アレルギー / アトピー性皮膚炎 / ランゲルハンス細胞 / 高親和性IgEレセプター |
Research Abstract |
本年度は単球、単球由来樹状細胞(MoDC)上に発現する高親和性IgEレセプター(FcεRI)の架橋により誘導される現象に関して研究を行い、以下の結果を得た。 1.単球、MoDC上のFcεRI架橋に伴うサイトカイン、ケモカインの産生、さらには抗原提示に必要な副刺激分子の発現は健常対照者と比して、アトピー性皮膚炎(AD)患者で強く認められた。これらの現象は、FcεRIと単量体IgEの結合のみでも誘導された。 2.単球、MoDC上のFcεRI架橋によりこれらの細胞のアポトーシスが抑制された。その機序として、Bcl-2などのアポトーシス抑制蛋白の発現増強による直接的作用と、これらの細胞が産生するサイトカインによる間接的作用が明らかになるとともに、Fas-FasL系の関与は否定された。この現象は、FcεRIと単量体IgEの結合のみでも誘導された。 3.高IgE環境でのMoDCのFcεRI発現増強効果、さらにはIgEによるFcεRIの発現増強に伴ってFcεRIの架橋により誘導されるMoDCのサイトカイン、ケモカイン産生能増強がみられた。 4.単球からMoDCへの分化段階でFcεRIを架橋すると、樹状細胞への分化が阻害されマクロファージに分化した。この現象の機序として、単球が産生するIL-10の関与が明らかになった。 5.CD34陽性幹細胞から単球・マクロファージへの分化の過程におけるIL-4,IgEによるFcεRIの発現調節機構を検討し、分化と共にこれらの分子に対する感受性が低下する結果を得た。
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[Publications] Katoh N,et al: "The high-affinity IgE receptor(FcεRI)mediates prevention of apoptosis in human monocytes"J Clin Invest. (印刷中). (2000)
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[Publications] Haratake A,Ikenaga K,Katoh N,et al.: "Topical mevalonic acid stimulate de novo cholesterol synthesis and epidermal permeability barrier homeostasis"J Invest Dermatol. (印刷中). (2000)
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[Publications] Katoh N,et al: "Eyelid dermatitis caused by delayed-type hypersensitivity to natural rubber latex"Contact Dermatitis. 40. 226-227 (1999)
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[Publications] Katoh N,et al: "Dermal contact dermatitis caused by allergy to palladium"Contact Dermatitis. 40. 336-337 (1999)
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[Publications] 加藤 則人、安野 洋一: "「皮膚の免疫細胞」-単球・樹状細胞-"アレルギー科. (印刷中).
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[Publications] 加藤 則人 ら: "アトピー性皮膚炎の成因をめぐって-IgEの関与-"臨床免疫. (印刷中).