1999 Fiscal Year Annual Research Report
更年期女性の毛成長に及ぼす女性ホルモン補充療法の影響
Project/Area Number |
11770479
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
植木 理恵 順天堂大学, 医学部, 助手 (80255695)
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Keywords | 毛成長 / フォトトリコグラム法 / 毛直径 / 加齢変化 |
Research Abstract |
更年期女性の毛成長に及ぼす女性ホルモンの影響をin vivoで評価するために、健常女性の加齢に伴う毛成長の変化についても毛成長の種々の指標を総合的に検討する必要があると考えた。そこで、脱毛・疎毛の自覚のない健常女性60人を対象に以下の検討を実施した。方法)血液検査及び、頭頂部においてフォトトリコグラム法、毛直径測定を実施し、成長速度、成長期毛率、毛髪密度、平均毛直径、硬毛率、短毛率を検討した。フォトトリコグラム法、毛直径測定の結果は21-25歳、26-35歳、36-45歳、46-55歳、閉経後の年代別に平均値を算出し、U検定を用いて統計学的に解析した。結果)成長速度、成長期毛率は21-25歳の若年層が最も高値で、閉経後群が低値を示した。26-55歳では加齢と共に低下する傾向は見られたが、有意な低下ではなかった。毛髪密度は21-25歳が最も低値で、26-35歳が最も高値であった。平均毛直径は閉経後が最も細く、21-25歳、46-55歳が細い傾向を示した。硬毛率、短毛率は加齢による変化はみられなかった。考案)従来、加齢による毛成長の変化は、短毛率以外の成長速度、成長期毛率、毛髪密度、平均毛直径、硬毛率が緩徐に低下するものと考えられていた。しかし、本研究の結果では、26-55歳の毛成長パターンは平均毛直径がわずかに低下するだけで、加齢による毛成長の変化は閉経前にはほとんど認められなかった。また、21-25歳では、成長速度は高値だが密度、平均毛直径が低値で、今まで若年層ほど頭髪の密度、平均毛直径が高値という考えに相当しない結果となった。
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