1999 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症の高頻度紫外線発癌における紫外線免疫抑制の関与
Project/Area Number |
11770488
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
橋本 洋子 関西医科大学, 医学部, 助手 (70257955)
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Keywords | XPマウス / 紫外線発癌 / 紫外線免疫抑制 / 腫瘍免疫 / IL10 |
Research Abstract |
色素性乾皮症(以下XP)患者の高頻度皮膚発癌における腫瘍免疫異常の関与を明らかにする目的で、XP遺伝子欠損マウス(以下XPマウス)のin vivoでの腫瘍排除能、及び腫瘍排除能に対する紫外線の影響を検討し、野生株マウスと比較した。 [方法] XPマウス由来の紫外線誘発性皮膚腫瘍から樹立したcell line18を、両群マウスに皮下注し、経時的に腫瘍の大きさを比較した。また、紫外線誘導性免疫抑制性cytokinesの一つであるIL10の皮膚での産生を皮膚免疫組織化学で、末梢血中濃度をELISAで、比較した。 [結果] (1)非照射マウスに腫瘍細胞を皮下注した場合には、両群ともに6日〜10日目をピークに腫瘍は増大し、その後は退縮して、3週間後にはほぼ消退した。 (2)紫外線照射後に皮下注した場合には、野生株マウスでは非照射時と同様に腫瘍は消退したが、XPマウスでは、60%程度の動物で腫瘍が退縮せず増大を続け、一部のマウスは腫瘍死に至った。 (3)紫外線照射後の表皮に抗IL10抗体に対する染色性が認められた。XPマウスではより少量の紫外線照射でも染色性が検出された。また、紫外線照射後の末梢血中のIL10は、野生株マウスでは検出できなかったが、一部のXPマウスでは上昇していた。 [結論] XPマウスの免疫学的腫瘍排除能は、非照射状態では野生株マウスと同等であるが、紫外線照射により容易に障害された。その機序として、免疫抑制性cytokinesの一つであるIL10が、紫外線照射により皮膚及び末梢循環中に大量に産生されることが示された。
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Research Products
(1 results)