1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経機能の微細な異常の検出を可能とする高感度ニコチンレセプターアッセイ法の開発
Project/Area Number |
11770502
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60252425)
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Keywords | ニコチン性アセチルコリンレセプター / ラジオレセプターアッセイ / A-85380 / 放射性ヨウ素標識 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)に高い親和性を持つ3-(2-(S)-azetidinylmethoxy)pyridine(A-85380)を母体化合物として、nAChRとの分子レベルでの結合状態に関する検討を基に、本レセプターに高い親和性、選択性を持つことが予想されるヨウ素誘導体を分子設計し、合成した。すなわちA-85380のピリジン環の5位にヨウ素を導入した化合物、5-iodo-3-(2-(S)-azetidinyl-methoxy)pyridine(51A)を合成し、この化合物について^3H-cytisineを放射性リガンドとする結合阻害実験によりnAChRへの親和性を検討した。同時に、その臭素誘導体を合成し、[^<125>I]ヨウ素を用いるハロゲン交換反応により放射性ヨウ素標識体の合成を行った。その結果、本化合物は、予想通り、nAChRに対し母体化合物であるA-85380と同程度の高い親和性を有し、分子設計の妥当性が示された。また、HPLCによる分離条件の検討を行った結果、[^<125>I]ヨウ素標識体は放射化学的収率70%、放射化学的純度99%以上で得ることができた。そこで、^<125>I-51Aを放射性リガンドとする結合阻害実験を行ったところ、nAChRの中でもα4β2サブタイプに選択性を有することが知られているcytisineでその結合が阻害され、α7サブタイプに選択性を有することが知られているα-bungarotoxinでは阻害されなかったことから、本化合物はα4β2サブタイプへの選択性が高いことが示された。今後^<125>I-51Aを用いて、ラット脳各部位の飽和結合実験により、ラット脳局所でのnAChRの分布を定量すると共に、体内動態実験によりin vivoにおける本化合物の動態とnAChRの分布との関連を明らかとする予定である。
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