2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経機能の微細な異常の検出を可能とする高感度ニコチンレセプターアッセイ法の開発
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11770502
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (60252425)
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Keywords | ニコチン性アセチルコリンレセプター / ラジオレセプターアッセイ / A-85380 / 放射性ヨウ素標識 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
これまで、ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)のα4β2サブタイプに高い親和性、選択性を有する5-iodo-3-(2-(S)-azetidinyl-methoxy)pyridine(5IA)を合成し、その[^<125>I]ヨウ素標識体を高収率、高純度で得ることに成功した。そこで、[^<125>I]5IAのin vivoでの脳内動態についてマウスを用いて検討したところ、投与一時間後で約5%dose/gと脳に高く取り込まれ、そのなかでも視床に最も高く集積し、この集積は持続した。これに対し小脳ではその取り込みは低く、洗い出しも速やかであった。さらに、ラットを用いてex vivoオートラジオグラフィにより検討を行ったところ、マウスを用いた脳内分布実験と同様の結果が得られた。[^<125>I]5IA投与5分前に、nAChRのリガンドであるcytisineを静脈投与した場合、放射能の集積が減少したことから、in vivoにおいても5IAがnAChRに結合していることが示された。また、[^<125>I]5IA投与1時間後におけるラット脳内の放射能の集積量を、[^3H]cytisineの飽和結合実験より得たラット脳局所のニコチンレセプター密度に対してプロットしたところ、脳局所への集積量とニコチンレセプター密度は高く相関しており、[^<125>I]5IAのin vivoでの放射能の集積は、ニコチンレセプター密度を反映したものであることが示された。これらの結果を基礎に、病態モデル動物として前脳基底核(NBM)傷害ラットを作製し、ex vivoオートラジオグラフィにより[^<125>I]5IAの集積を調べた結果、前脳皮質の傷害側で傷害を与えていない側と比較して有意に減少しており、nAChRのBmax値の変化と一致した。以上より、5IAが脳内nAChRの核医学イメージング剤として有効であることが示された。
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[Publications] M.Kubota, et al.: "Mechanisms of [2,3-Butanedione Bis (N^4-Dimethylthiosemicarbazone)] zinc (Zn-ATSM_2)-Induced Protection of Cultured Hippocampal Neurons Against N-Methyl-D-Aspartate Receptor-Mediated Glutamate Cytotoxicity."Jpn.J.Pharmacol.. 84. 334-338 (2000)