1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳における酸化的ストレス状態のインビボ評価のための新規放射性標識抗酸化剤の開発
Project/Area Number |
11770512
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 文彦 九州大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (40253471)
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Keywords | 脳 / 酸化的ストレス / インビボ / ヨウ素標識 / アスコルビン酸 / ラット |
Research Abstract |
優れた脳機能診断薬としての放射性標識抗酸化剤の開発を目的に,新規放射性標識AsA誘導体の開発に着手した。本研究では特に薬物の脳移行性に深く関わる脂溶性に注目し,脳移行性の向上を期待してデザインした高脂溶性AsA誘導体2-IBA,3-IBA,6-IBAのうち,AsAの2位または3位OH基にm-iodobenzyl基を有する2-IBAと3-IBAの合成に成功した。本年度はそれらの標識合成法の開発と基礎評価を行った。 インビトロ評価において,DPPHに対する還元活性については2-IBAはアスコルビン酸としての還元活性が60%であり,ある程度活性が保持されていた。またlogP値0.78の脂溶性を示した。3-IBAは92%の還元活性を持つことが明らかとなった。 標識合成については2-IBAはmelt法によって放射化学的収率45%でヨウ素125標識合成ならびに単離精製に成功した。3-IBAも同様にmelt法によってヨウ素125標識合成が可能であったが,放射化学的収率6%と低かった。しかしながら反応標識率は82%であったため,精製過程の改善により単離収率の改善は可能であると考え現在検討を行っている。 インビボ評価として,2-IBAについて,健常ラットを用いた生体内分布を調べた結果,脳への移行は著しく小さかった。さらに派生的な研究としてマウス固形腫瘍への分布も調べたが,AsAとは異なり腫瘍への集積は小さかった。脱ヨウ素代謝の指標となる甲状腺への集積が高かったことから,2位へのm-iodobenzyl基の導入は生体内で不安定である可能性が考えられる。また,投与後短時間で肝臓および腎臓に分布することから,網内系にトラップされた可能性もある。3-IBAのインビボ評価を急ぐとともに,6-IBAの合成および評価を検討中である。
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[Publications] Ishibashi N.,Kuwamura T.,Sano H.,Yamamoto F.,Haradahira T.,Suzuki K.,Suhara T.,Sasaki S.and Maeda M.: "Synthesis and Evaluation of New ^<18>F-and ^<11>C-Labelled 6,11 -Ethanobenzo[b]quinolizinium Derivatives for Imaging of the NMDA Receptor at the TCP-Binding Site."Labelled.Compd.Radiopharm.. (in press).
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[Publications] Yamamoto F.,Oka H.,Antoku S.,Ichiya I.,Masuda K and Maeda M.: "Synthesis and Characteriazation of Lipophilic 1-[^<10>F]Fluoroalkyl- 2-nitroimidazoles for Imaging Hypoxia"Biol.Pharm.Bull.. 22(6). 590-597 (1999)
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[Publications] 山本 文彦: "左巻健男編著:話題の化学物質100の知識 p32-33,p76-77,p134-135,p168-169"東京書籍. 232 (1999)