1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770517
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
妹尾 淳史 東京都立保健科学大学, 保健科学部・放射線学科, 助手 (00299992)
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Research Abstract |
生体内圧力の可視化に対する基礎研究として、本年度は主としてファントム実験を行った。任意の圧力に可変可能な圧力試験管を作成し、マイクロバブル造影剤と磁気共鳴信号強度との関係について検討した。結果は0mmHgと200mmHgとで15%の信号強度の差がみられた。試験管内の圧力を高くすると、T2値が短縮傾向を示した。なぜT2値が短縮するのかということについては、我々は理解できなかった。したがって、この問題については、引き続き究明する必要があると思われる。造影剤の調整後、時間経過とともに信号強度が増加した。信号強度が増加した原因は、マイクロバブルが時間の経過とともに壊れた為に起きたと思われる。圧力が大きいほど、マイクロバブルが速く壊れる傾向がある。しかし、この造影剤を超音波装置で使用する場合と比較して、磁気共鳴装置ではマイクロバブルが長時間保たれる事が理解された。圧力を増加すると信号強度は低下傾向を示した。これにより磁気共鳴装置を用いて圧力分布を得る可能性が高いことが理解された。生体内で発生している圧力を非侵襲的に画像化することが可能になれば、現在まで予後の予測が困難であった心疾患領域でも、有用な情報に成り得ると我々は期待している。次年度からは動物を用いて生体内圧力の可視化実験を行う予定である。 本研究結果は9月に東京で開催された磁気共鳴医学会にて発表し、大会長賞を受賞するに到った。また、12月に米国で開催された北米放射線学会においても演題が採択され発表を行った。
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