1999 Fiscal Year Annual Research Report
効率的ゲノムスキャン法を用いた精神分裂病いとこ婚家系の連鎖研究
Project/Area Number |
11770546
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
峯田 聖 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30304893)
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Keywords | 精神分裂病 / 連鎖研究 / いとこ婚 / 効率的ゲノムスキャン / ホモ接合性マッピング |
Research Abstract |
精神分裂病の病因、病態を解明し、有効な治療法・予防法の開発の手がかりを得ることを目的に、効率的なゲノムスキャン法を用いた精神分裂病のいとこ婚家系の連鎖研究を計画した。本研究は、精神分裂病のいとこ婚家系を対象とすることで劣性遺伝モデルを適用し、ホモ接合性マッピングによる統計解析を行い、DNA pooling method、multiplex法により遺伝子解析の効率化を図ることを可能にするものである。 平成11年度は精神分裂病のいとこ婚家系の集積を主目的とし、全国的に精神分裂病いとこ婚家系を集積する体制を整え、細胞の株化を行い、半永久的に保存する体制を確立するために、第44回日本人類遺伝学会(仙台)、厚生省精神疾患関連研究班研究報告会(東京)において、全国の大学施設に研究協力を依頼した。 インフォームド・コンセントは、佐賀医科大学倫理委員会により承認を得た方法に従った。すなわち、精神保健指定医の立ち合いのもと、本研究の目的、方法、期待される効果について被験者に十分な説明をおこない、本研究の主旨を理解し、文書による同意が得られた被験者について12mlのヘパリン採血を行い、7mlをDNAの抽出に、5mlを細胞の株化に用いた。 罹患者は精神保健指定医を含む複数の医師の診察により、DSM-VIおよびICD-10の診断基準を満たす精神分裂病であることを確認し、下位分類、発症年令、臨床症状などの臨床データセットを完備した。非罹患者についても同様に面接を行い、健常であることを確認した。できうる限り多くの親族から情報を得、信頼しうる家系図を作成した。 現在のところ、精神分裂病のいとこ婚家系を5家系集積済であるが、引き続き平成12年度も家系集積に努め、十分大きなsample sizeを用いてゲノムスキャンを開始する予定である。
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