1999 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病におけるオンコジーンc-fynの分子生物学的および遺伝学的研究
Project/Area Number |
11770562
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大沼 徹 順天堂大学, 医学部, 助手 (10286734)
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Keywords | 精神分裂病 / fyn / 前頭前野 / 海馬 / 分子生物学 |
Research Abstract |
平成11年度は当初の予定通り、精神分裂病患者と正常対照群死後脳の前頭前野と海馬において、fyn mRNAに対するradioactive in situ hybridisationを行った。対象は、生前にDSMーIIIーR診断基準により精神分裂病と診断された分裂病群6例と、精神神経科疾患の既往がなく、抗精神病薬服用歴のない正常対照群10例である。すべての新鮮凍結脳は英国ケンブリッジのCambridge Brain Bank(MRC;Medical Research Council所属)から提供され、死亡時平均年令、brain pH、postmortem intervalなどは分裂病群と正常対照群で有意差はなかった。Brodmann Area9、10、11を含む前頭前野と海馬の新鮮凍結切片(15μm)をCryostatで作成し、使用時までー80℃で保存した.正常対照群1例のBrodmann Area 9から mRNAを抽出し、reverse transcriptase(GIBCO)にてcDNAを作成、それから得られた604 bpのPCR産物(499-1102;Genbank accession number M14676)をpBluescript IIKS(+/-)vector(STRATAGENE)にinsertしサブクローンした.制限酵素で切断したVectorから、アンチセンスリボプローブはT3 polymeraseで、センスリボプローブはT7 polymeraseでそれぞれRiboprobe in vitro Transcription System(Promega)と[^<35>S]-UTP(New England Nuclear-Du Pont,Natick MA)を用い作成した。In situ hybridisationは通常の方法で行い、局所レベルのmRNA定量にはfilm autoradiogram (2週間)を、1神経細胞あたりのmRNA定量にはemulsion autoradiogram(4週間)を行った。その結果、fyn mRNAは前頭前野皮質全体に発現が認められ、海馬では歯状回、アンモン角、海馬傍回に発現が認められ、現在その発現量をSeescanにて定量解析中である。
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