1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗精神病薬投与のよるラット脳内NMDA型受容体サブユニットの変化について
Project/Area Number |
11770564
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
豊田 裕敬 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50309150)
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Keywords | 抗精神病薬 / haloperidol / グルタミン酸 / NMDA型受容体 / gene expression / in situ hybridization |
Research Abstract |
ドーパミン神経系とグルタミン酸神経系が相互作用を有することや、in vitoroでドーパミンD2受容体拮抗作用は速やかにみられるが、in vivoでの抗精神病作用の発現には数週から数ヶ月の遅れがみられることから、抗精神病薬の作用発現にはグルタミン酸神経系などの他の神経系が関与していることが示唆されている。我々はこれまでにhaloperidol、sulpirideの投与によりラット全脳におけるNMDA受容体サブユニットmRNA発現量に有意な変化がみられることを確認し、報告している。 今回我々は脳内部位別の変化を検討するために、in situ hybridization法を用いてhaloperidol(3mg/kg)慢性投与(14日間)によるNMDAR1、R2A、R2B、R2CmRNA発現量の変化を前頭葉皮質、側坐核、線条体、海馬、小脳において検討した。その結果今回検討した全ての部位においてNMDA受容体各サブユニットmRNA発現量の有意な変化がみられることを確認した。全脳での検討ではみられなかったサブユニットに変化がみられたが、全脳での検討では部位別の変化が相殺された結果と考えられた。以上の結果を1999年度日本神経精神薬理学会年会(於 広島)において報告した。 来年度は抗精神病薬の種類を増やして同様の検討をするとともに、NMDA受容体各サブユニットに特異的な抗体を用いたWestern blotting法により各サブユニット蛋白レベルの変化についても検討する。
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