1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄球系細胞の生理的分化におけるレチノイン酸受容体の機能解析
Project/Area Number |
11770572
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須永 真司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70282621)
|
Keywords | レチノイン酸 / レチノイン酸受容体 / 骨髄球系細胞 / 細胞分化 / トランスジェニックマウス / ドミナントネガティブ |
Research Abstract |
ドミナントネガティブ型レチノイン酸受容体を、骨髄球系細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成した。このトランスジェニックマウス(MRP-RAR Tgマウス)どうしを交配し、ホモTgマウスをサザン解析で選別した。ホモTgマウスは、ヘテロTgマウスや非Tg同胞個体にくらべると小さい傾向があった。ホモどうしを交配しても、子を得ることができなかった。 次に、ホモMRP-RAR Tgマウスの骨髄より単核球を分離し、半定量的PCRトランスジーンの発現量を調べた。トランスジーンの発現量は、ヘテロTgマウスと大きな差はなく、予想に反して発現量の増加はみられなかった。次にサイトスピン標本による形態学的解析および、フローサイトメトリー解析をおこなった。形態学的には、ホモTgマウスの骨髄では、幼若な骨髄球系細胞が増加し、分化した好中球は減少していた。フローサイトメトリー解析ではGr-1の発現が抑制されていたが、その程度は、ヘテロTgマウスとあまり差はなかった。すなわち、ホモTgマウスの骨髄細胞は、ヘテロTgマウスの骨髄細胞と明らかな相違はみられなかった。 さらに、Tgマウスの骨髄より単核球を分離し、IL-3、GM-CSFなどの存在下に半固形培地で培養し、コロニー形成能を調べた。その結果、Tgマウスとコントロールマウスの間で、類粒球コロニーや類粒球ーマクロファージコロニー形成能に明らかな差は認められなかった。
|