1999 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス細胞死における核構造変化に関与する分子の固定
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11770575
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 淳 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80303840)
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Keywords | アポトーシス / 細胞死 / カスパーゼ / 核構造 / タンパク相互作用 |
Research Abstract |
研究代表者がラット肝臓より精製しヒトcDNAをクローニングした、アポトーシス細胞死における核の破壊を制御する因子であるp66とp74の作用機構を明らかにするために、それらに結合するタンパクを見い出す目的で、酵母のtwo hybrid系を用いた。まず、p66をGAL4タンパクのDNA結合ドメインとの融合タンパクとして酵母で発現するbaitプラスミドをpAS2-1ベクター(Clontech社より購入)を用いて構築し、ヒトタンパクを転写活性化ドメインとの融合タンパクとして酵母で発現するpreyプラスミド(pACT2)からなるヒト肝臓由来のcDNAライブラリー(Clontech)をスクリーニングした。その結果、415アミノ酸からなる47.1kDaのタンパクをコードするcDNAを得た。これは、複数の核移行シグナルと三量体Gタンパク結合モチーフを有する、過去に報告の無い新規タンパクであった。 次に、p74をbaitとしてスクリーニングを行ったが、相互作用するタンパクは得られなかった。そこで、p74がアポトーシスの実行に関わるプロテアーゼであるカスパーゼ3により切断されることを考慮し、切断後の断片に相当するタンパクを発現するbaitプラスミドを構築した。ヒト皮膚由来のcDNAライブラリーをスクリーニングし、カルボキシ末端側の断片に結合するタンパクの部分配列をコードするcDNAを得た。遺伝子データベースを検索してESTを見い出し、5'-RACE法を行って、全長タンパクをコードするcDNAを得た。この335アミノ酸からなる38.7kDaの新規タンパクは、核移行シグナルを持ち、膜融合を媒介するタンパク(SNAREs)様の構造を有する。線虫、ショウジョウバエにorthologが見い出され、種間で基本構造がよく保存されていた。
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