2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性びまん性糸球体病変形成に関わる一酸化窒素発現の役割
Project/Area Number |
11770592
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
八木橋 法登 弘前大学, 医学部, 講師 (10250622)
|
Keywords | 糖尿病性腎症 / GKラット / 一酸化窒素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
糖尿病性腎症の発症における誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、ニトロチロシン、8-OHdG、superoxide dismutase(SOD)、glutathione S-transferase-π(GST-π)、advanced glycation end products(AGEs)の1つであるcarboxymethyl lysine(CML)の変化を、自然発症2型糖尿病モデルであるGoto-Kakizaki(GK)ラットを用いて検討した。 24週令の正常対照Wistarラット(C)、未処置GKラット(GK)、蔗糖負荷GKラット(GS)の3群の腎臓のホルマリン固定、パラフィン切片を用い組織学的、免疫組織学的に検討した。 血糖、ヘモグロビンA1cはGK、GSでCに比べ有意に高かった。腎重量は3群間で明らかな差は認められなかった。組織学的には全ての群で硬化した糸球体は認められず、メサンギウム領域の明らかな増加を示すものはみられなかった。GSで皮質外側に拡張した尿細管の集簇している部分が散見された。 免疫組織学的検討では糸球体にはiNOS、ニトロチロシン、8-OHdG、Mn-SOD、Cu,Zn-SOD、GSTπ、CMLを検出できなかった。iNOS以外の上記の物質は尿細管の一部に認められたが、3群間で明らかな発現の差異はみられなかった。 GKラットは電顕的に糸球体基底膜の肥厚などの変化が報告されているが、今回の検討からはGKラットの糸球体には明らかな一酸化窒素の産生、酸化ストレスによる細胞傷害を証明できなかった。
|