1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓の新しい内向き整流性カリウムチャネルの単離とその機能解析
Project/Area Number |
11770595
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
種本 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40303945)
|
Keywords | 内向き整流性カリウムチャネル / 膜2回貫通型カリウムチャネル / 酸塩基平衡 / 体液調節機構 / 循環器系 / 腎尿細管 / イオン輸送 |
Research Abstract |
腎遠位尿細管でのイオン輸送Na+-ATPase(ナトリウムポンプ)により制御されているが、その調節機構は明確にされていない。腎尿細管上皮細胞において、内向き整流性カリウムチャネル(Kir)はナトリウムポンプの作用においてカリウム(K+)を逆方向に移動させるK+リサイクリング機能を果たし、腎尿細管でのナトリウムポンプ制御機能およびイオン輸送制御に重要な役割を果たすと考えられる。 腎遠位尿細管ではKirのひとつである,Kir4.1が基底膜側に存在することを、申請者らのグループで明らかにしている(Immunolocalization of an inwardly rectifying K+channel,KAB-2(Kir4.1),in the basolateral membrane of renal distal tubular epithelia. Ito et al.1996,FEBS let,388:11-15)。申請者は生理的な役割が全く明らかにされていなかったKir,Kir5.1,が腎臓に存在すること、およびKir4.1と異種複合体を形成すること、を生化学的手法を用いて明らかにした。更に、Kir4.1とKir5.1で形成されるカリウムチャネルが、生理的なpHの変動の範囲でチャネル活性を大きく変えることを電気生理学的手法を用いて明らかにした(The heteromeric Kir4.1-Kir5.1 channel is sensitive to physiological range of intracellular protons.Tanemoto et al. 2000,Biophysical J,78:345A)。 この知見は、腎尿細管基底膜側において生理的pHにより制御されるチャネルの存在を世界で始めて明らかにしたものであり、腎遠位尿細管における酸塩基平衡調節を含むイオン輸送の調節機構の解明に繋がるものである。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Tanemoto M.et al.: "Cloning of Kir5.1 from rat kidney and an evidence of its interaction with Kir4.1"The Japanese Jourmal of Pharmacology. 79. 144 (1999)
-
[Publications] Tanemoto M.et al.: "Kir5.1 のラット腎臓での発現分布と遠位尿細管での役割"生化学. 71. 806 (1999)
-
[Publications] Tanemoto M.et al.: "The heteromultineric Kir4.1-Kir5.1 channel is sensitive to physiological range of intracellular protoms"Biophysical Jourmal of Pharmacology. 78. 345A (2000)