1999 Fiscal Year Annual Research Report
アドレノメデュリンの糸球体上皮細胞保護作用:疾患形成と病態予測に関する研究
Project/Area Number |
11770602
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
叶澤 孝一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10233917)
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Keywords | アドレノメデュリン / アドレノメデュリンmRNA / 成熟型アドレノメデュリン / 糸球体上皮細胞 |
Research Abstract |
1.各種刺激による培養糸球体上皮細胞におけるアドレノメデュリンmRNAの発現 ラット腎より糸球体上皮細胞を得、K1-3T3メディウムにで培養した。また、ラット腎よりメサンギウム細胞を得、DMEMで培養した。それぞれの培養細胞のメディウムに5%、10%、15%のFCSを添加し、24時間後および72時間後にアドレノメデュリンmRNAの発現をノザンブロット法により観察した。その結果、培養ラット糸球体上皮細胞は、アドレノメデュリンmRNAを発現しており、その発現はFCSの濃度依存性に強くなることが分かった。一方、培養ラットメサンギウム細胞では、アドレノメデュリンmRNAの発現は認められなかった。 2.ヒトの各種腎障害時に伴う尿中アドレノメデュリンの解析 各種慢性腎疾患患者56例を対象に、血中および新鮮尿中アドレノメデュリン(AM)、成熟型AMを測定し、新鮮尿中NAG、24時間蓄尿中β2MG、protein、albumin、Na、ClおよびCcrと、また腎生検時に検体を採取できた12例の光顕組織上の重松分類による組織障害の指標と比較検討した。AMおよび成熟型AMの血中値はそれぞれ14.3±0.9、2.0±0.2fmol/ml、尿中値はそれぞれ13.6±1.2、3.3±0.3fmol/mlで、それぞれの血中および尿中値に相関は認められなかった。尿中成熟型AMは、尿中β2MGと強い相関が認められ(p<0.3×10^3)、Ccrと弱い相関を認めた(p<0.03)。また、組織学的検討との比較では、急性障害(G)の指標が高いものほど、尿中成熟型AMが高値を示す傾向にあったが、進行度(S)の指標との間には、一定の傾向が認められなかった。
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