1999 Fiscal Year Annual Research Report
サイクロオキシゲナーゼ選択的阻害による胎児動脈管収縮作用とその機序の研究
Project/Area Number |
11770611
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 康 秋田大学, 医学部, 助手 (90311571)
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Keywords | サイクロオキシゲナーゼ阻害剤 / 胎児動脈管 |
Research Abstract |
胎児動脈管は、胎盤と胎児の循環を結ぶバイパスとして働き、出生後には収縮そして閉鎖する。研究テーマは、第1に「サイクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、特にCOX1および2選択的阻害剤の胎児動脈管収縮作用の解明」であり、第2「AdrenomedullinおよびCaicionin gene-related peptide(CGRP)の動脈管拡張作用とメカニズム」である。本研究は兎胎児からとりだした胎児動脈管輪を用いる動物実験であり、摘出した動脈管直径に発生する微少な等尺的張力(収縮力)の測定を基本とする。現在、実験系の確立を終了し、実験を継続中である。 第1のテーマについては、現在のデータから「COX2選択的阻害剤であっても、濃度依存性に胎児動脈管収縮を誘導する」ことが推察される。COX2選択的阻害剤は、強力に胎児動脈管収縮を誘導するCOX1阻害を回避していることから、「胎児動脈管収縮を誘導することなく抗炎症作用発揮するCOX阻害剤」と期待されたが、妊婦への投与の際には(COX非選択的阻害剤と同様に)十分な注意が必要と推測される。第2の研究テーマに関連しては「Adrenomedullinの周生期における血管拡張作用機序」について、第72回全米心臓病学会(the Annual Meeting of American Heart Association)にて発表した。いずれも、次年度中に結論可能の予定である。
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