2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770615
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森本 昌史 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285265)
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Keywords | 羊膜由来細胞株 / 培養 / 蛍光抗体法 / 神経細胞 / グリア細胞 |
Research Abstract |
ヒト羊膜由来細胞株(AV3)より調製した細胞浮遊液をカバースリップにのせて培養を行った。基本培地として、OPTI-MEM^<TM>培地にN2 supplement^<TM>,上皮細胞成長因子(EGF),塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を添加したものを用いた。5日間、10日間の培養期間の後、細胞を固定し、神経幹細胞のマーカーとしてnestin、ニューロンへの分化マーカーとしてMAP-2、グリア細胞への分化のマーカーとしてGFAPの発現を螢光抗体法を用いて調べた。また、神経細胞への分化促進因子として3μMのall-trans retinoic acid(RA)やグリア細胞への分化促進因子としてグルココルチコイドを添加し同様に各種マーカーの発現を調べた。 基本培地では、培養5日目にはnestin陽性を示す細胞がほとんどでその多くがGFAP陽性を示した。培養10日目にはnestin陽性を示す細胞は少なくなったが、GFAP陽性細胞の割合は増加していた。また、形態的にも敷石状のアストロサイトの形態を示す細胞が大部分で、MAP-2陽性を示す細胞はみられなかった。RAの添加で、培養5日目で約2%、培養10日目で約5%の細胞がMAP-2陽性を示した。これらの中にMAP-2陽性細胞が80%を占める細胞塊の形成もみられた。グルココルチコイドの添加によっては総細胞数の減少とGFAP陽性細胞の割合の増加が認められた。概してRAはAV3細胞株に対して神経細胞に分化させる促進因子として、グルココルチコイドはグリア細胞に分化させる促進因子としての作用があると考えられた。しかし、RAのAV3細胞株に対する神経細胞への分化誘導能は弱く、今後他の因子を含め検討が必要と考えられた。
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