1999 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンの副腎髄質における直接作用の分子機序の解明-肥満形成の病態も含めて-
Project/Area Number |
11770624
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹越 一博 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40261804)
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Keywords | レプチン / カテコールアミン / 副腎髄質 / チロシンヒドロキシラーゼ |
Research Abstract |
レプチンは、直接、副腎髄質においてカテコールアミン分泌および合成を促進させる(Takekoshi.Ketal.,BBRC.261,426-31.1999)。すなわち、(1)ブタ副腎髄質組織には、Ob-Rbが発現していた。(2)Leptin(≧50nM)でカテコールアミン分泌が観察され、その増加は細胞外Ca^<2+>依存性であった。(3)カテコールアミン合成の律速酵素Tyrosine hydroxylase(TH)-mRNAは、Leptin(≧1nM)で増加した。今回、その機序を検討した。結果として(1)Leptin(≧1nM)でTH-酸素活性は増加。(2)MAPキナーゼ活性、STAT3は増加。(3)MAPキナーゼ阻害剤PD-098059によりleptinによるTH-mRNAの増加が抑制された(IC_<50>:15μM)。(4)leptinで細胞内Ca^<2+>は増加し、nicardipineおよびω-Conotoxinでleptinによる細胞内Ca^<2+>の増加はそれぞれ、44% 29%減少した。(5)細胞外Ca^<2+>を事前にキレートしてもleptin添加で、細胞内Ca^<2+>の上昇を認めた(6)leptinでIP_3は増加した。以上より、(a)Leptinは、TH-mRNAのみならずTH-酸素活性も増加させる。TH-mRNA増加は、MAPキナーゼ依存性である。(b)Leptinは、L-typeとN-type Ca^<2+>channelを介して細胞外からのCa^<2+>流入を増加させ、さらにIP_3増加を介して細胞内Ca^<2+>プールからCa^<2+>動員を増加させることで細胞内Ca^<2+>濃度を増加させsectretogoueとして働く。(c)chromaffin細胞においてもLeptinはSTATを介して情報伝達を行う可能性がある。
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