1999 Fiscal Year Annual Research Report
副腎におけるアンジオテンシンII関連ペプチドと受容体サブタイプの生理的役割の検討
Project/Area Number |
11770634
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田辺 晶代 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00236655)
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Keywords | AT1受容体 / AT2受容体 / AT1受容体拮抗薬 / AT1aKOマウス |
Research Abstract |
AngIVがMAPキナーゼ活性に及ぼす影響をウシ副腎皮質球状層細胞および血管平滑筋細胞において検討した。その結果、AngIVはいずれにおいてもMAPキナーゼを活性化し、それはAT1拮抗薬とAT2アゴニストにて阻害されたが、AT2拮抗薬やAT4拮抗薬では影響されなかった。これらの結果から、AngIVはAT1受容体を介しMAPキナーゼを活性化する一方、AT2受容体は抑制的に作用していることが示された。副腎や血管のMAPキナーゼを介するAT1とAT2のクロストークが示唆される。更に、副腎におけるAngII受容体サブタイプの役割を解明するため、AT1aKOマウスにおいてAngIIがアルドステロン(Aldo)とコルチコステロン(B)分泌に及ぼす影響を検討した。その結果,AT1aKOマウスの血中Aldo.、Bはwild-typeより有意に低値で、AngIIにて共に血中Aldo.は約2倍に増加した。AT1拮抗薬前処理AT1aKOマウスでも血中A1do.は有意に増加したが、AT2アゴニストは血中A1do.に影響せず、またAngIIはwild-typeのみで血中Bを増加させた。以上から、AngIIによるA1do.分泌は球状層AT1a、AT1b、non-AT1a,b/AT2受容体を介する一方、 B分泌はATlaのみを介することが示された。AngII受容体サブタイプはAngIIによるAldo分泌刺激に重要な意義を有する。
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