1999 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン分泌促進ペプチドの視床下部における作用の解析
Project/Area Number |
11770637
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
周東 祐仁 日本医科大学, 医学部, 助手 (70312056)
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Keywords | 成長ホルモン / GHRP / GHS-R / トランスジェニックラット / アンチセンス mRNA |
Research Abstract |
成長ホルモン分泌促進ペプチド(GHRP;growth hormone relasing peptide)あるいは内因性リガンドであるghrelinの受容体(GHS-R)に対するアンチセンスmRNAを発現するトランスジェニック(Tg)ラットを作製した。プロモーターとして視床下部の弓状核に発現しているtyrosine hydroxylase(TH)を用いた。この遺伝子の染色体への導入を確認した後、ホモ接合体を作製した。このTgラットの視床下部においてアンチセンスmRNAの発現を確認した。また視床下部、特に弓状核の部分を特異的に摘出し、GHS-RのWestern blottingを行った。Tgラットでは正常ラットと比較して、弓状核のGHS-R量は低下していた。このTgラットでは、4週から12週まですべての週齢について、雄雌それぞれ、正常ラットに比較して有意に体重が低下していた。また、体重/体長は、正常ラットに比較してTgラットで有意に低下していた。体重あたりの臓器重量を測定したところ、Tgラットでは下垂体の重量は有意な差を認めなかったが、精巣の重量は有意に低下していた。下垂体におけるGHの含有量は両者の間で差を認めなかった。また血清中のIGF-I濃度も両者の間で差はなかった。従ってこのTgラットは、GHRPおよびghrelinの作用機構を解明する上で、非常に有用であると考えられた。今後はこのTgラットにGHRPあるいはghrelinを投与してGHの反応を正常ラットと比較検討する予定である。またGHRPは摂食亢進作用があることを我々はすでに報告しており、このTgラットを用いて摂食作用に関しても検討したい。
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Research Products
(1 results)