1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の動脈硬化症発症におけるインスリン抵抗性とホモシステイン代謝の臨床的研究
Project/Area Number |
11770646
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
絵本 正憲 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90275248)
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Keywords | ホモシステイン / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
本年度、2型糖尿病患者75名(年令56.0±9.9(SD)才;男性46名、女性29名)において、1)Enzyme conversion immunoassayによる血漿総ホモシステイン濃度(tHcy)の測定、2)人工膵臓を用いたeuglycemic hyperinsulinemic clampによるインスリン抵抗性の評価、3)高解像度超音波断層法による総頚動脈(CCA)および大腿動脈(FA)の内膜中膜複合体肥厚度(IMT)の測定を行い、暫時解析を行っている。 現在の解析結果では、2型糖尿病のtHcyは腎症病期別では腎症1期:9.6±0.4μmol/L、2期:11.2±1.1mol/L、3期:13.3±1,8μmol/L、4期:21.6±2.0μmol/Lと腎症の進行に伴って高値を示し、高ホモシステイン血症を呈する頻度も有意に増加した。tHcyはインスリン抵抗性指数と有意の負相関関係(r=-0.284,P=0.014)を認めた。その他の臨床因子との関連性において、tHcyは、年齢、収縮期血圧、HbAlc値、血清尿酸、血清クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランスと各々有意の単相関関係を認めた。動脈硬化症との関連性において、早期指標であるCCAおよびFAのIMTはtHcyと有意な正相関関係を認めた(CCA,r=0.299,P=0.021;FA,r=0.471,P=0.0001)。 以上より、研究計画に準じて糖尿病のホモシステインとインスリン抵抗性、動脈硬化症との関連性を示す成績が集積されつつある。
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