2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770654
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 敏晶 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (50307956)
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Keywords | 骨粗鬆症 / インターロイキン6 / TNFα |
Research Abstract |
骨粗鬆症は骨量の減少により骨の脆弱化が進み、骨折の危険性が増す疾患であり、深刻な高齢化社会を迎える我が国においては、その成因解明、発症前診断、新しい治療法の開発は急務である。骨粗鬆症の発症には複数の遺伝子が関与していることが報告されているが、その解明は予防医学の見地からしても非常に有用であると考える。 我々は分子遺伝学的手法を駆使することにより、骨粗鬆症の発症における遺伝因子の解析を行い、臨床応用へ向けた遺伝子マーカーの開発を行った。 本研究では同胞対連鎖解析、および患者・対照関連試験により骨粗鬆症の遺伝因子の解析を行なった。閉経後女性の姉妹対約200対、患者・対照関連試験に用いる閉経後女性500名以上のDNAサンプルを用い遺伝要因の解析を進めた。同胞対連鎖解析では骨吸収、骨形成に関与するホルモンおよびそのレセプターや、骨芽細胞、破骨細胞の分化増殖を制御するサイトカインおよびそのレセプター、骨基質タンパクなど様々な骨代謝に関わる種々の候補遺伝子が原因遺伝子であると予想され、これら候補遺伝子座に存在するDNA多形性マーカーを同定し、同胞対連鎖解析を行った。その結果、インターロイキン6、TNFα遺伝子座において連鎖を認め、これらの遺伝子が骨粗鬆症の発症に関与することが示唆された。さらにインターロイキン6遺伝子の発現調節領域の遺伝子多型と骨塩量に相関関係が見い出され、この遺伝子多型が骨粗鬆症の発症に直接関与していることが示唆され、臨床応用へ向けた遺伝子マーカーとしての可能性が示唆された。
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[Publications] Ota N,Hunt SC,Nakajima T, et al: "Linkage of interleukin 6 locus to human osteopenia by sibling pair analysis"Human Genetics. 105. 253-257 (1999)
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[Publications] Ota N,Hunt SC,Nakajima T, et al: "Linkage of human tumor necrosis factor-alpha to human osteoporsis by sib-pair analysis"Genes and Immunity. 1. 260-264 (2000)
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[Publications] Ota N,Nakajima T, et al: "A nucleotide variant in the promoter region of the interleukin 6 gene associated with decreased bone-mineral density"Journal of Human Genetics. 46(in press). (2001)