1999 Fiscal Year Annual Research Report
ショックの診断および重症度指標としてのsublingual PCO2
Project/Area Number |
11770672
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 儀英 東海大学, 医学部, 講師 (00246125)
|
Keywords | 急性循環不全 / ショック / 重症度 / 舌下粘膜組織内CO_2分圧 / 組織二酸化炭素分圧 / 乳酸 |
Research Abstract |
1、Sublingual PCO2(舌下粘膜組織二酸化炭素分圧)測定センサーの開発 胃内PCO2センサーを製品化している日本光電に舌下粘膜組織用にPCO2センサーを改良してもらった。 2、救命救急センターにおける、急性循環不全患者を対象としたSublingual PCO2測定 これまでに4症例においてSublingual PCO2を測定した。そして急性循環不全時、動脈圧の低下、心係数の上昇とともにSublingual PCO2は上昇する傾向があることが判った。 以下に典型的な症例を提示する。 症例、37歳女性 心肺蘇生後の急性循環不全 養護施設内で入浴中てんかん発作を起こしたため、溺水から心肺停止となり、救命救急センターに搬送された。心肺蘇生により心拍再開し、Swan-Ganzカテーテルにて各種循環動態指標のモニタリングを開始した。Sublingual PCO2は心拍再開直後には105mmHgと高値を示した。カテコールアミンを投与により当初血圧は上昇、一過性の循環動態の改善(心係数が1.9〜2.1まで上昇)とともにSublingual PCO2は50台にまで下降した。しかしその後再び循環不全となり心係数低下、Sublingual PCO2も上昇、来院後約7時間で死亡した。死亡前には115mmHgまで再上昇した。動脈血乳酸は来院時131mg/dLと高値を示した。循環動態改善時には107まで低下したが、Sublingual PCO2程の変化は認めなかった。その後循環動態の再度の悪化の際には176と非常な高値を示した。 しかし現在のプロトタイプのセンサーの問題点も判明した。現在のセンサー先端の形状では、舌下の奥行きが浅い患者において、センサーと舌下粘膜の間に空気の流入がおこるために、測定が困難となる。この問題点についてはすでに日本光電社と協議のうえ、先端部分の再度開発を依頼した。
|