1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770680
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
岩 昌宏 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (60232633)
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Keywords | 腸管運動 / ストレインゲージ / IMC / ラット / 鍼通電刺激 / 電気刺激 |
Research Abstract |
ラットの空腸漿膜面にstrain gaugeを縫着し、空腸運動を慢性的に記録した。電気刺激は腹部に埋め込んだ電極より100Hz、10mAにて10分間通電した。一方、鍼通電刺激では、ラット後肢の前脛骨筋部に刺鍼し、100Hz、10mAにて10分間通電した。 【結果】 刺激前後1時間における収縮波形の面積を求め、刺激前1時間の値を100%とした増減率を計算し無刺激時と比較した所、後肢への鍼通電刺激では、無刺激時の95.8±5.8%に対し111.2±14.2%と増加がみられ、腹部への電気刺激では123.3±19.7%とさらに有意な増加がみられた。 通電刺激による影響を記録波形からみると、腹部刺激前には1時間に約3回の周期的なIMCが観察されたが、通電刺激直後より持続的で不規則なphaseII様の収縮波群へと変化した。後肢への鍼通電刺激では、腹部通電刺激時ほどの運動パターンの変化は示さなかったものの、刺激後の1〜3時間においてIMCの出現頻度が増加した。 刺激前後での各phaseの比率を比較すると、腹部への通電刺激では、phaseIは36.5±12.7%から6.5±8.6%と減少し、phaseIIIも23.7±3.1%から12.5±9.1%ヘと減少したが、phaseIIは39.8±11.6%から80.9±15.2%ヘと有意に増加した。一方、後肢への鍼通電によってphaseIは29.8±6.7%から2.8±5.8%と減少したが、phaseIIは38.3±9.1%から51.3±5.9%ヘと増加し、phaseIIIも31.8±15.1%から45.9±8.1%ヘと有意に増加した。 以上の結果より、腹部への通電刺激によって収縮波がphaseII様の運動に変化し、空腸運動が亢進したこと及び、後肢への鍼通電刺激によってphaseIIとphaseIIIが増加することによりIMC頻度が増加したことが示唆された。
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Research Products
(2 results)