1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11770690
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 幸世 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助手 (70301819)
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Keywords | 胃 / 胃癌 / 腸上皮化生 / クローナリティ / 腺管 / 炎症 / 胃発癌 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
T16H×H253マウスに胃発癌モデルであるメチルニトロソウレアを投与したが、残念なことに胃に癌はできていなかった。メチルニトロソウレア入りの飲用水の交換をより頻回に行う必要性があると考えられた。 一方、H253マウスの胃に慢性の炎症を起こさせることによるクローナリテイの変化を観察した。 我々は以前にヒト胃粘膜腸上皮化生においてはポリクローナルな腺管の割合が増加することを発見し、報告している。腸上皮化生はヒト胃粘膜に慢性の炎症が起こると発生する、または、老化現象のひとつと考えられている。マウスの胃に腸上皮化生を作る試みは数々為されているが、いまだ成功していない。しかし、大原らはラットの胃を水酸化ナトリウム溶液で洗浄することにより、腸上皮化生を作成している。マウスの胃に同様の処理を施しても腸上皮化生は発生しないことは以前に実験済みであるが、慢性の炎症を起こさせる意味で、今回、この処理をH253マウスに施した。 結果としては、再生してきた腺管は形態的には正常胃腺管であるが、ポリクローナルは腺管が増加していた。また、正常胃粘膜には存在するモノクローナルバッチのサイズが縮小していることがわかった。 今後は、水酸化ナトリウムによる胃洗浄後の胃腺管クローナリテイの経時的変化を詳細に解析することにより、胃粘膜における慢性炎症の影響を観察する予定である。
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