1999 Fiscal Year Annual Research Report
び慢性食道平滑筋腫症責任遺伝子のポジショナルクローニング
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11770694
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植木 靖好 岡山大学, 医学部, 助手 (60304309)
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Keywords | び慢性食道平滑筋腫症 / COL4A6 / Alport症候群 |
Research Abstract |
始めに び慢性食道平滑筋腫症(Diffuse esophageal leiomyomatosis,DL)の分子遺伝学的解明を目指して研究を進めてきました。私はDLに遺伝性の腎炎であるAlport症候群が合併する症例に着目し、本邦症例においてX染色体q22-23に存在するIV型コラーゲンα5,6鎖遺伝子(COL4A5,6)に欠失が存在することを突き止めました。この事からAlport症候群は、すでに多数の報告があるCOL4A5の変異によって、DLはCOL4A6の変異によって引き起こされることを予想したのですが、COL4A6遺伝子全体の欠失でもDLが発症しない症例の報告が相次ぎCOL4A6以外のDLの責任遺伝子の存在が示唆されました。私は"大きな遺伝子(約300kbと推測している)であるCOL4A6の中に新たな責任遺伝子が存在するのではないか?"との仮説をたて新規遺伝子の有無を検討しています。 方法 ヒトBAC(Bacterial Artificial Chromosome)ライブラリーからCOL4A6遺伝子全体をカバーするコンティグを作成、エクソントラップ法を用いてゲノム中の転写領域(エクソン)の同定を試みました。 成果 エクソンの候補を5個見い出しました。2個はα6鎖遺伝子の新規転写産物であることを明らかにしました。残りの3個は同一転写産物である可能性が示唆され、RT-PCR法によって子宮でその発現が高いことが明らかになり、現在、タンパク質一次構造決定を目指し全長のクローニングを行っています。
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