2000 Fiscal Year Annual Research Report
ドナーリンパ球門脈内投与によるドナー特異的免疫抑制成立の機序解明
Project/Area Number |
11770696
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
榎 忠彦 山口大学, 医学部, 助手 (80311819)
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Keywords | 免疫抑制 / ドナー特異的 / 門脈 / クッパー細胞 / ラット |
Research Abstract |
ドナーリンパ球を門脈内に投与した際誘導される、ドナー抗原特異的免疫抑制状態(免疫寛容)成立の機序を解明するため、宿主のクッパー細胞におこる変化を、細胞接着分子の発現の相違の観点より検索した。 1)実験モデル 平成11年度の門脈内投与脾細胞数は1×10^7個であったが、細胞接着因子の発現が微弱であったため、今年度は投与細胞数を1×10^8個とした。PVG(RT1c)をレシピエントとし、DA(RT1a)(allo群)あるいはPVG(RT1c)(iso群)の脾細胞を1×10^8個門脈内に注入した。門脈内投与1週間目に、レシピエントPVGラットを再開腹し、門脈よりコラゲナーゼ含有灌流液で肝を灌流した後、肝を摘出した。肝実質細胞を遠心分離した後、上清を採取し、エルトリエーションシステム(Beckman Coulter)を用いクッパー細胞分画を採取した。 2)細胞接着因子の発現測定 マウス由来抗Intercellular Adhesion Molecule-1および抗B7-1抗体を一次抗体とし、FITC標識抗マウスIgG2抗体を2次抗体として、クッパー細胞を免疫染色した。Flow-cytometer(FACSVantage HGKY98,Becton Dickinson)でその標識率を測定した。 3)細胞接着因子の発現率 Intercellular Adhesion Molecule-1およびB7-1は両群ともほぼすべての細胞表面に発現されており、両群間に差は認められなかった。 4)考察および今後の展開 門脈内リンパ球投与後にクッパー細胞上の細胞接着因子の発現率に差はなく、今後はドナー細胞再投与後のクッパー細胞の変化を検索する必要があると考えられた。
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