1999 Fiscal Year Annual Research Report
膵ランゲルハンス島移植における選択的肝動脈注入法の検討
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11770717
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
衛藤 謙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00287210)
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Keywords | 膵ランゲルハンス島 / 選択的肝動脈注入法 / セルディンガー法 |
Research Abstract |
糖尿病の治療に膵ランゲルハンス島(ラ島)移植があり,問題点として移植部位がある.現在腎被膜下,門脈内移植法が主であるが,本研究では侵襲がより少なくかつ効果的な投与法と考えるセルディンガー法を利用した選択的肝動脈注入法を試みた. 1.膵臓全摘出による糖尿病犬の作成およびラ島の単離 犬(体重15〜20Kg)を使用し,全身麻酔下で開腹した.十二指腸は温存し,膵臓全摘出術を施行,次に摘出した膵臓からラ島を単離した.保存液から膵臓を取り出し,膵管にHBSSで溶解したコラゲナーゼを注入し,膵臓を膨化させた.その後,膵臓を細切し,HBSS液で10分間37℃にてdigestionする.次に60分間程度冷温でdigestionを行う.最後にFicoll液で濃度勾配法を用いてラ島のみを単離した. ラ島はRPM1640培地に入れ,5%CO_2,37℃の条件下で培養した. 2.ラ島の移植 膵臓全摘出し3〜4週後,糖尿病(血糖が300mg/dL以上)になった犬をrecipientとした.全身麻酔下で透視を用い犬の右鼠径部からRHカテーテルをセルディンガー法で挿入し,ガイドワイヤーを使用して選択的に肝動脈にRHカテーテルを挿入した.培養後,凍結保存していたラ島を溶解し,生理食塩水3ccに入れ,RHカテーテル内を通し肝臓内にラ島を移植した. 犬一匹あたりから150000〜250000 islet equivalents(IEQ)を単離でき,それを移植したが血糖コントロールには不十分であった.手技的問題もさることながら,ラ島数の不足も考えられ,今後手技の確立とともにdonorを2匹以上として,ラ島数を増やし移植を試みる予定である.
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