Research Abstract |
胆管切開創の縫合閉鎖部において,胆汁が漏れる危険がない時期が判明すれば,胆道内減圧チューブの抜去から早期退院が期待できる.今回この点を明らかにするために,胆管切開創修復過程と胆道内圧との関係を実験的に検討することとなった.現在までに実験はビーグル犬を用い,全身麻酔下に正中切開法で開腹し,胆嚢摘出後,まず胆嚢管からドレナージチュウブを挿入し,ここより胆道造影を行い,総胆管経を計測した.総胆管を露出し前面に約1cmの縦切開を行い,3-0呼吸糸(vicryl)で縫合し,胆嚢管からドレナージチュウブを挿入し,ここより胆道造影を術中に行い縫合部の漏れならびに狭窄状況を検討し閉腹した. 平成11年度の検討項目は胆管切開創修復過程であり,以下の項目で検討した. 1.胆管切開創縫合部の狭窄状況:術後,1日目,3日目,5日目,1週間目に,胆嚢管より挿入してあるチュウブから胆道造影を行い早期の狭窄の有無を検討した. 2.胆管切開創修復過程の組織学的検討:術後,1日目,3日目,5日目,1週間目に再開腹し,胆管を切除し,標本を作成し(HE染色,Masson染色,EVG染色),現在組織学的に検討を加えているところである. 平成12年度は胆管切開創縫合部の耐圧力を検討するため,平成11年度と同様にモデルを作成し,術後,1日目,3日目,5日目,1週間目に再開腹し,縫合部乳頭側を結紮封止したあと胆嚢管より挿入してあるチュウブから生理食塩水注入法によって加圧し,縫合部破裂に要する圧力をmmHgにて測定する.これにより術後適性なドレナージチュウブの抜去時期を解明する予定である.
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