1999 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肝癌における第4番染色体長腕の高精度欠失地図の作成
Project/Area Number |
11770722
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松本 智司 日本医科大学, 医学部, 助手 (70239101)
|
Keywords | 肝癌 / 染色体欠失 / がん抑制遺伝子 / DNA多型マーカー / ヘテロ接合性の消失 |
Research Abstract |
肝癌では、4qのLOHが高頻度に認められ、癌抑制遺伝子の存在が示唆されている。しかし、この領域を詳細に解析した報告はないため我々は肝癌における4q上の癌抑制遺伝子を同定する目的で染色体欠失地図を作製し、共通欠失領域のゲノムクローニングを試みている。 肝癌96症例の手術検体から抽出した癌および正常組織の各DNAを対象に、4qを網羅する39種類のマイクロサテライトマーカーを用いて、LOHの有無を調べた。さらに、共通欠失領域よりYAC,BAC,PACなどのゲノムクローンを単離し、同領域の物理的地図を作製した。 すなわち、4qのLOHは96症例中、71症例(74%)に認められた。また、各症例の欠失領域の検討から、4q21-22(56.6%)と4q35(43.8%)の2ヶ所に共通欠失領域を同定し、各々約1cMの範囲に限局化し得た。臨床病理学諸因子との相関の検討で、4q35領域の肝癌の進展に関与する癌抑制遺伝子の存在が示唆された。4q21-22の共通欠失領域を完全にカバーするYAC,BAC,PACによるコンティングを作製した。 以上の結果より、4qでは2ヶ所に肝癌発生に関与する未知の標的遺伝子の存在が示唆された。今後、コンティング上のgenome cloneのshotgun cloning法を進め、これらの領域より新しい癌抑制遺伝子の単離を試みる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Bando, K., Matsumoto, S. et al.: "Identification of a 1-cM Region of Common Deletion on 4q35 Associated With Progression of Hepatocellular Carcinoma."Genes, Chrom. Cancer.. 25. 284-289 (1999)
-
[Publications] Emi, M., Matsumoto, S. et al.: "Correlation of Allelic Loss with Poor Postoperative survival in Breast Cancer."Breast Cancer.. 6. 351-356 (1999)
-
[Publications] Emi, M., Matsumoto, S. et al.: "Allelic loss at 1p34, 13q12, 17p13.3, and 17q21.1 Correlates with Poor Postoperative Prognosis in Breast Cancer."Genes, Chrom. Cancer.. 26. 134-141 (1999)
-
[Publications] Kawamura, N., Matsumoto, S. et al.: "PTEN/MMAC1 Mutations in Hepatocellular Carcinomas: Somatic Inactivation of Both Alleles in Tumors."Jpn J. Cancer Res.. 90. 413-418 (1999)