1999 Fiscal Year Annual Research Report
重力による閉鎖開始機能を備えた機械式心臓代用弁の製作と評価
Project/Area Number |
11770735
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苗村 潔 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90302752)
|
Keywords | 機械式心臓代用弁 / 僧帽弁 / オクルーダ重心 / 運動解析 / 閉鎖運動 |
Research Abstract |
重力による閉鎖開始機能を備えた僧帽弁位機械式心臓代用弁の開閉運動部分(オクルーダ)の設計と共に弁口輪、オクルーダを支えるヒンジ部分を設計した。具体的にはオクルーダ断面形状を直方形から台形状に変更した際の重力によるトルクと慢性モーメントを計算し、研究代表者が実験から求めた設計値の範囲に入るように設計した。設計したオクルーダの妥当性を検証するために、オクルーダの閉鎖運動を簡便に評価する器具をアクリルで製作した。ヒンジ機構の代わりにピアノ線を使って、重力による閉鎖運動を空気中と40%グリセリン水溶液中で高速ビデオカメラにて計測した。空気中のオクルーダ運動を計算と実験値で比較し定性的な一致が得られ、設計方針が妥当であることがわかった。現在、粘性流体中を運動する物体としてオクルーダ形状をモデル化して3次元数値解析を行ない弁設計の効率化に向けて検討を進めている。具体的には所属研究室で流体構造速成解析ソフトを用いて解析し実験値と比較している。 血液循環系を模擬した拍動流回路で、試作弁の流体特性、閉鎖運動特性を既存の弁と比較するために、弁全体の設計を行なった。弁口論とヒンジ部分は臨床使用されている機械式二葉弁を参考にして、実測値などから形状を決定した。一般にメス型にパイロライトカーポンを吹き付けて成形する製法が取られるが、予算枠の関係と血液を用いた評価は行なわないことから、アルミ合金などで製作することにした。設計した図面を金属加工業者に発注済みで、来たる4月初旬の納品予定である。次年度には納品された弁と既存の臨床使用弁の比較実験を行なう。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] N.Naemura,T.Dohi,M.Umezu: "Preliminary study on the new "self-closing"mechanical mitral valve."Artificial Organs. 23・9. 869-875 (1999)
-
[Publications] K.Naemura: "Design of a mechanical heart valve5 occluder to start closing by gravity"JSME International Journal Series C. 42・3. 628-633 (1999)