1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト非小細胞肺癌におけるiNOS発現と血管新生との相関
Project/Area Number |
11770736
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
佐々木 正人 福井医科大学, 医学部, 助手 (30235270)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 腫瘍増殖 / アポトーシス / 細胞周期 / 腫瘍血管新生 |
Research Abstract |
一酸化窒素(nitric oxide,NO)はガス状のラジカルであり,生体内で様々の生理作用がある。癌においてもアポトーシスの誘導などによる腫瘍増殖抑制と局所低酸素による微小血管新生による腫瘍増殖促進の異なる役割を果たしていることが報告されているが,まだ一定の見解がなされていない。そこでヒト癌におけるNOの作用を解明するため一酸化窒素合成酵素発現細胞(inducible nitric oxide synthase,iNOS)を作成し以下の実験を行った。 iNOS遺伝子を哺乳動物発現用プラスミドベクターに組み込み,これをヒト癌細胞株(MCF-7,Colo 201,PC-3,PC-9,SW480,HT-29,etc.)に導入し,iNOS発現細胞を作成した。iNOSの発現は,酸素活性をRI method,NADPH diaphorase染色にて確認し,mRNA発現の解析をライトサイクラーで行った。 平成12年度はこの実験で得られた野生株ヒト癌細胞,コントロールベクター導入ヒト癌細胞,iNOS高発現細胞,iNOS低発現細胞を用い,培養系での腫瘍増殖能,アポトース,細胞周期の差異,動物実験系でマウス皮下に腫瘍を移植し,腫瘍増殖能,腫瘍血管新生などの変化について検討する予定である。 一方,当科の外科切除標本を用い,腫瘍内微小血管新生とiNOS発現との相関や,アポトーシス,癌遺伝子の発現との相関について検討を行い,NOの腫瘍増殖における役割を明らかにしていく予定である。
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