1999 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄慢性圧迫による前角細胞の遺伝子発現とアポトーシス
Project/Area Number |
11770769
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
荻野 雅宏 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80224137)
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Keywords | anterior column / apoptsis / chronic compression / neuronal loss / spinal cord |
Research Abstract |
Wister rat(体重250〜300g)を用い、全身麻酔の下、第5・6頸椎椎弓下に膨張性ポリマーを挿入して局所脊髄圧迫を作成した。対照として、ポリマーを通過させただけで留置しないシャム手術群を設けた。術前より自発性運動量を回転式運動量測定ケージで、また強制運動能力をトレッドミルならびに傾斜姿勢維持測定板にてそれぞれ計測した。術後はポリマー挿入操作による急性脊髄損傷のないことを確認した上で、3週ごとに上記の運動能を計測した。動物は術後3週、9週、24週の各時点に屠殺した。経心灌流固定ののち全脊髄を摘出し、パラフィン包埋後圧迫部位を含む連続切片を作成した。これにへマトキシリン-エオジン染色をほどこして形態学的検討を行い、1,000マイクロメートルあたりの片側前角の運動ニューロン密度を測定した。別グループの動物を準備して上記の各時間に屠殺、経心灌流固定ののち全脊髄を摘出し、スライサーにて圧迫部位を含む連続切片を作成した。これにはTUNEL染色を行ってアポトーシスの関与を検討した。自発運動量は24週の観察期間中にシャム群と圧迫群との間に差を認めなかった。強制運動能力は18週より低下し始め、24週まで進行性に低下した。前角の運動ニューロン密度は3週には有意な変化がなかったが、9週、24週においてはそれぞれ術前の83%、66%に減少していた。また、TUNEL染色による検討では、これら形態学的変化に先だってapoptotic changeが現れていることが示唆された。
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