1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫におけるテロメア・テロメラーゼ活性・テロメア関連蛋白の発現とその意義について
Project/Area Number |
11770780
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
深谷 親 日本大学, 医学部, 助手 (50287637)
|
Keywords | テロメラーゼ / テロメア / 脳腫瘍 / astrocytoma / p53 / PCR-ELISA / TRAP法 / 神経膠腫 |
Research Abstract |
1、脳腫瘍におけるテロメラーゼ活性の測定・定量 新鮮凍結脳腫瘍組織のテロメラーゼ活性をTRAP法により検討するとともに、PCR-ELISA法により定量した。良性脳腫瘍の代表として髄膜腫(meningioma)、悪性の代表として転移性脳腫瘍。そして生物学的ならびに病理組織学的な悪性度に応じて分類されている星状腫瘍(良性:Grade I,II、悪性:Grade III,IV)を対象とした。総数は髄膜腫20例、転移性脳腫瘍5例、星状膠腫15例(WHO Grade I and II:5例、Grade III and IV:10例)である。髄膜腫では10%、転移性脳腫瘍では100%にテロメラーゼ活性が認められた。Grade I,IIの良性星状膠腫では40%、Grade III,IVの悪性星状膠腫では80%にテロメラーゼ活性を認めた。悪性脳腫瘍に陽性例が多かった。テロメラーゼの活性値は髄膜腫では平均6.1pmole/mlと低値を示し、転移性脳腫瘍では15.1pmole/mlと高値を示した。星状膠腫においてもGrade I,IIの7.2pmole/mlに比べGrade III,IVが14.0pmole/mlと高値を示した。詳細な定量値を測定するとともに、悪性度とテロメラーゼ定量値の相関を初めて呈示した研究である。 2、テロメラーゼ活性と増殖能との関係 抗Ki-67抗体を用いた免疫組織染色によりPCI(proliferative cell index)を算定し、増殖能とテロメラーゼ活性との関連について検討した。TRAP法にてテロメラーゼ活性が陰性であった23例のKi-67PCIは3.6であったのに対し、陽性例17例のKi-67PCIは13.1と高値を示した。そしてテロメラーゼ活性の定量値とほぼ相関した。 3、テロメラーゼ活性とapoptosisとの関係 apoptosisと関連が深いp53がん抑制遺伝子蛋白の発現を免疫組織化学的方法により検索した。結果は、テロメラーゼ活性と免疫組織化学的変異p53との相関は認められなかった。
|