1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経外科疾患に対する脳磁図臨床応用のための基礎的研究
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11770786
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中 大輔 和歌山県立医科大学, 助手 (80290914)
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Keywords | 脳磁図 / 聴覚誘発脳磁場 / 睡眠 |
Research Abstract |
純音刺激により誘発される聴覚誘発脳磁場が、睡眠により如何なる変化を受けるかを解析することにより、聴覚受容と意識の関係とについて検討した。健常人10名(男性8名・女性2名、平均年齢29.7歳)に対し、右耳から70dBの純音刺激をおこない、誘発される聴覚誘発脳磁場を脳磁計にて両側大脳半球から記録した。なお、刺激音周波数は250、1000、4000Hzの3種類を用い、これら3種の純音を、覚醒状態、浅睡眠状態、深睡眠状態の3条件下で被験者に与え、それぞれの聴覚誘発脳磁場を計測した。いずれの条件下においても、潜時50、100、150、200msecのところに聴覚誘発脳磁場のピークを認め、それぞれの成分をM50、M100、M150、M200と命名した。また、いずれの成分も第1次聴覚野が発生源であった。各成分の潜時は睡眠中では延長する傾向が見られたが有意差は無かった。初期成分(M50,M100)は睡眠中には振幅が減少する傾向が見られたが有意差は無かった。逆に後期成分(M150,M200)は睡眠中には振幅が有意に増大した。初期成分の振幅変化に反し、後期成分のそれは睡眠により有意に増大したことから、睡眠中には聴覚認知を抑制する系が抑制されているものと考察した。 初期成分の活動位置は睡眠中には有意に上方に移動したが、後期成分には有意な変化は見られなかったことより、両者の発生機序には相違があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)