1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770790
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三森 甲宇 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10302861)
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Keywords | 異所性骨化 / サブスタンスP / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
(1)骨化抑制に関わる知覚神経の働き Wistarラットを使用し、何も処置しないコントロール、大腿神経知覚枝の1つである伏材神経を切除したもの、大腿神経の知覚枝のみを切除したもの、capsaicinを投与したものと4種類のラットを作成した。いずれもアキレス腱に結紮等の処置は行わなかった。 Capsaicinは過去の実験と同様、生後2日の時点で体重100gあたり50mgを皮下注した。 いずれの群れも生後12週で軟線撮影を行った。フィルム上の骨化陰影を画像解析装置に入力し、骨化面積を計測し、それを骨化の大きさとした。なお骨化が見られぬものについてはその大きさを0とした。 知覚障害のないコントロール群では骨化は見られなかった。一方、伏在神経を切除したラットでは5匹中1匹に骨化を認めた。大腿神経知覚枝を切除したラットでは、5匹中3匹に骨化が出現した。Capsaicinを投与したものでは、14匹中13匹に骨化が見られた。 それぞれの群を比較すると、Capsaicin群が最も大きく、大腿神経知覚枝切除群、伏在神経切除群の順に骨化が小さく、知覚障害の範囲が広いほど骨化も大きい傾向にあった。 Mann-Whitney検定を行うとCapsaicin投与群は伏在神経切除群、コントロール群よりも明らかに骨化が大きく、大腿神経知覚枝切除群と伏在神経切除群に有意差は無かった。 (2)神経伝達物質(SubstanceP)が存在していることの証明 Wistarラットの左側のアキレス腱のみ4-0ナイロン糸を用い結紮した。結紮後4週で両側のアキレス腱を採取した。採取したアキレス腱はアセトンにて固定後、DAKO社製抗サブスタンスP抗体を用い標識しDAB法にて発色させた。何ら処置を行っていない右側にサブスタンスP陽性細胞はみられなかったが、左側アキレス腱組織中にはサブスタンスP陽性細胞が観察された。
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