2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的プロモーターを用いに軟骨肉腫の遺伝子治療法の確立
Project/Area Number |
11770798
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
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Keywords | 軟骨肉腫 / 遺伝子治療 / XI型コラーゲン / 組織特異的プロモーター / チミジンキナーゼ |
Research Abstract |
1.担癌ヌードマウスの作成 ヒト粘液型軟骨肉腫より樹立した細胞株HCS-TG/C3、HCS-TG/E2は、その後の調査でヌードマウスでの造腫瘍性が弱くin vivoでの遺伝子治療実験には不適当と考え、これらのクローンの親株であるHCS-TG細胞をヌードマウスに移植し皮下腫瘍を作成した。この腫瘍はヌードマウスで継代可能であった。 2.CMVプロモーターにより発現制御されるHerpes Simplex Virus Tymidine Kinase(HSV-TK)遺伝子ベクターのin vivo electroporationによる腫瘍内導入 遺伝子の細胞内移行の至適条件を決定するため腫瘍が直径5cm程度に達したときに、FITC標識オリゴヌクレオチドを腫瘍内に5箇所注射し、それぞれの周囲に、6本の針電極を組み合わせ簡便に3方向から電圧をかけられる電極を挿入しelectroporationを行った。翌日、腫瘍組織を摘出し凍結切片を作成して蛍光顕微鏡下に細胞内のFITCラベルを観察した。FITCラベルオリゴヌクレオチドは核内に局在しており、その導入が確認された。また同時にelectroporation の至適条件を決定した。現在、CMVプロモーター制御のHSV-TKとクラゲ蛍光蛋白GFPの融合蛋白の遺伝子をヌードマウス腫瘍に注射、electroporationを行い、腫瘍内での蛋白発現をGFPの蛍光を観察することにより経時的に解析した。 3.軟骨特異的Xl型コラーゲンalpha1鎖のプロモーターを含むHSV-TK遺伝子発現ベクターの作成 PNASSβをバックボーンにColXIa1プロモーターおよび第1イントロン、HSV-TK/GFP fusion geneの挿入を試みたが、XI型コラーゲン発現細胞において正しい発現を示すクローンが得られなかったため、別の発現ベクターに対しプロモーターを入れ替えてコンストラクションを行った。
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[Publications] T.Nakase: "Involvement of multinucleated giant cells synthesizing cathepsin K in calcified tendinitis of the rotator cuff tendons"Rheumatology. 39・10. 1074-1077 (2000)
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[Publications] T.Nakase: "Immunohistochemical detection of cathepsin D,K,and L in the process of end ochondral ossification in the human"Histochem Cell Biol. 114・1. 21-27 (2000)
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[Publications] N.Hashimoto: "SYT-SSX fusion proteins in synovial sarcomas : detection and characterization with new antibodies"Cancer Lett. 149・1-2. 31-36 (2000)
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[Publications] N.Hashimoto: "Am J Surg Pathol"Detection of SYT-SSX Fusion Gene in Peripheral Blood from a Patient with Synovial Sarcoma.