1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの骨破壊機構・大理石病ラットに誘導したアジュバント関節炎を用いて
Project/Area Number |
11770804
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
首藤 敏秀 九州大学, 医学部, 助手 (00304783)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 骨破壊 / 破骨細胞 / ビスフォスフォネート / YM-175 / アジュバント関節炎 / TRAP / 関節破壊 |
Research Abstract |
【目的および研究実績の概要】慢性関節リウマチ(RA)の骨関節破壊のメカニズム解明のために、RAの骨破壊には破骨細胞による骨吸収が不可欠であるか否かを明らかにすることを本研究の目的とした。計画当初は、生体内に破骨細胞をほぼ欠いた動物として、遺伝的に破骨細胞を欠損し骨吸収が起こらないtl/tlラットにアジュバンド関節炎(AA)を誘導することにより、骨関節破壊が起こるか否かを検討する予定であったが、破骨細胞性骨吸収を抑制できるビスフォスフォネート(BP)の一種であるYM-175を前投与したラットで骨関節破壊が起こるか否かを検討した。その結果、BPの前投与により破骨細胞性骨吸収を抑制したラットでは、AAを誘導しても、骨関節破壊が起こらないことを見いだし、破骨細部による骨吸収を阻害することによりRAの骨関節破壊を抑制できる可能性を示した。【方法】YM-175をAAの関節炎発症前に連日皮下投与し、四肢関節の腫脹を関節点数、paw volumeで、関節破壊の程度はX線および組織学的に(IIEおよびTRAP染色)評価した。【結果】AAラットへのYM-175投与により骨関節破壊が濃度依存的に抑制された。また組織学的検討でYM-175によりTRAP陽性多核細胞数が濃度依存的に抑制され、TRAP陽性多核細胞の形態の縮小などが認められた。また、ラット骨髄細胞培養系でも濃度依存的にTRAP陽性多核細胞の形成が抑制された。これらの結果からYM-175の作用メカニズムとして破骨細胞の分化の抑制および機能の抑制(恐らくアポトーシスの誘導による)が、示唆された。この結果は、Journal of Orthopedie Scienceにacceptされ、近く掲載予定である。
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