1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨代謝に対するビタミンKの作用とその発現機序に関する分子生物学的研究
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11770817
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小谷野 康彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10234907)
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Keywords | c-fos / ヒト軟骨細胞 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
本研究にあたって、まず、human c-fos(hc-fos)をカドミウム誘導型プロモーター(human MT IIa)とともに導入したヒト軟骨細胞株の樹立を行った。 クローン化ヒト軟骨細胞(HCS2/8)に、hc-fosをhuman MT IIaおよびneomicin resistant geneとともにトランスフェクトし、G418セレクションを行うことにより3個のhc-fos陽性細胞株を得た。これらの細胞について、プロテオグリカン(PG)合成能の変化をタンパク質レベルと遺伝子レベルとで検索した。 hc-fos陽性の細胞では、ヒト軟骨型PGが合成されており、軟骨細胞としての特性が維持されていた。一方、カドミウム(Cd)の添加により、c-fosの過剰発現が誘導された。c-fosの過剰発現により、これらの細胞におけるPG合成量は経時的に減少し、Northern blot解析からもPGmRNAの発現量の減少が認められた。 human c-fos DNA(hc-fos)をカドミウム誘導型プロモーター(human MT IIa)とともに導入したヒト軟骨細胞株の樹立に成功した。軟骨細胞にprotooncogeneであるc-fos遺伝子が過剰発現されると、軟骨基質の主要構成成分であるPGの合成は抑制されることがわかった。
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