1999 Fiscal Year Annual Research Report
シャルコー関節滑膜組織中に発現した破骨細胞分化促進因子の解析
Project/Area Number |
11770822
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田辺 隆敏 関西医科大学, 医学部, 助手 (50268356)
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Keywords | シャルコー関節 / 破骨細胞 / 滑膜細胞 |
Research Abstract |
本研究はムチランス型慢性関節リウマチ患者の急速骨破壊進行部位における破骨細胞の骨吸収能の研究がきっかけとなり実験を開始したわけであるが、現在のところ蛋白の精製、および構造決定には未だ至っていない。シャルコー関節の滑膜組織中に認められた分子量約20kDのこの蛋白の構造決定には至っていないものの、その分子量など、途中経過までの実験結果を整理し、現在投稿準備中である。我々のグループの研究経過を以下のように整理し、報告する。まず、我々は(a)シャルコー関節における急速関節破壊進行部位より採取した滑膜組織の培養開始一週後、培養上清を採取し濃縮後セファデックスG・15カラムにてゲル濾過し、分子量勾配に従って再び採取したサンプルを準備した。象牙片上に培養した破骨細胞に準備したサンプルを添加し、吸収孔形成への影響を測定したところ、コントロールと比較し有意に骨吸収が亢進した。(b)吸収孔形成の促進作用が認められるサンプルチューブを電気泳動法にかけ、含有する物質の分子量を確認したところ、20kDの破骨細胞活性化機能を有する活性蛋白質を確認した。(c)DE52カラムを用い、電気極性にてさらに含有蛋白を細分化し精製した後、再度破滑細胞培養系に添加し、破骨細胞活性化作用を確認した。今後、我々はシャルコー関節における急速骨破壊進行部位より採取した組織中より破骨細胞活性化作用を有し、約20kDの分子量を持つ活性蛋白質の分離に成功し、この因子の作用はIL・1RAや抗GP130中和抗体等の破骨細胞活性化サイトカインの阻害薬で抑制を受けなかった。これらの事実より、シャルコー関節における急速骨破壊は滑膜細胞にて産生されるこの活性蛋白質の発現を介して破骨細胞を活性化し発生する可能性が示唆された。今後、更に標的蛋白の精製作業を進め、アミノ酸配列の決定を急ぐ予定である。
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