1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨形成タンパク質(BMP-3b)のレセプター同定およびBMP-3bの機能解析
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11770828
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
日野 純 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室員 (40260351)
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Keywords | BMP / 骨形成タンパク質 / TGF-β / 骨芽細胞 / 細胞分化 / プロモーターアッセイ |
Research Abstract |
BMP-3b遺伝子は、我々が骨組織からクローニングした新規遺伝子である。BMP-3bは骨形成において、重要な働きをしているタンパク質であり、本遺伝子の発現が骨芽細胞の分化状態と相関している事を、最近明らかにした。今回、本遺伝子の発現調節機構解明の為、マウスBMP-3b遺伝子の構造解析及びヒト遺伝子のプロモーター解析を行った。マウスBMP-3b遺伝子は、全長約12kbで、3個のエキソンと2個のイントロンより構成され、その構造とイントロン挿入部位は、我々が報告したヒトBMP-3b遺伝子と一致していた。また、ヒト遺伝子に存在している5'上流の0.5kbのGC-rich領域の配列がマウスにも見られ70%の高い相同性を示した。ヒトBMP-3bの5'上流約3.7kb、またはその欠失断片をルシフェラーゼ(LUC)リポータープラスミドと連結し、細胞に導入した。5'上流3.7kbを導入した場合、高度な分化状態を維持している初代培養骨芽細胞でのみ高いLUC活性を示したが、株化している培養骨芽細胞ではLUC活性は極めて低かった。またTGF-β及びFCSは、LUC活性を著しく抑制した。以上の結果は、初代培養骨芽細胞でのBMP-3b mRNAの発現パターンと一致した。欠失断片の導入により、5'上流のGC-rich領域が基本転写に関わっており、0.5から1.4kbの領域にエンハンス部位が存在することを明らかにした。更に、TGF-βとFCSのLUC活性抑制に関する領域には違いが認められ、発現抑制機序の相違が示唆された。
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